【かわら版】全能のクラウド:メガバンク採用の意味
最終更新日: 2017/05/11 3:11pm
こんにちは。経理の小高です。
日経コンピュータの4/27号の見出しは「全能クラウド」という思い切ったコピーでした。
三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行のメガバンク2行がクラウドの採用を表明して、クラウドの利用範囲もほぼ全業種をカバーする勢いです。
三井住友銀行は、2016年5月にマイクロソフトのクラウド(Office365、Azure)の採用を発表しました。
(参考資料)マイクロソフトによる発表: 三井住友銀行は、従業員の業務効率化とワークスタイル変革に向け、マイクロソフトのパブリッククラウドサービスを採用
そして、三菱東京UFJ銀行は、2017年1月にシステムをAmazon.comのクラウドサービス(Amazon Web Services)に移行すると発表しました。
(参考資料)日本経済新聞社による記事: 三菱UFJ、システムをクラウド化 大手行で初
銀行のシステムは個人の資産を管理する「もっともセキュリティが厳しいシステム」という理由で、ハードウェアが社内に置かれるのが常識でした(機密性をどこまでも突き詰めると、ハードウェアはネットワークから外すのが理論的に最適です)。そして、銀行(金融機関)は金融庁、財務省から厳しく監督されています。
また、金融(銀行や保険、証券)の基幹システムは「勘定系」といわれていて、1日当たりに処理されるデータ数がけた外れに多いことで知られています。わたしがかつてメーカーの基幹システムを運用していたとき、データの処理件数は1日に1000万のオーダー(桁)でした。その経験から推測すると、勘定系の基幹システムの1日の処理件数は少なくとも1億、もしかしたら10億のオーダーになるはず。
それだけの分量のデータを処理するには巨大なコンピュータ(汎用機というとてつもなく高価なコンピュータ)が何台も必要になります。
後者についていえば、自動車メーカー、重電メーカーなども同程度の処理能力は必要と思われますので、銀行(金融)特有のハードルは前者と言えるでしょう。
これ踏まえますと、銀行が
・クラウド(メール、サーバー、データセンター)が強固なセキュリティをもつこと
・クラウド(サーバー)が強力な処理能力をもつこと
を認めたということは、先ほど述べましたように、クラウドの利用範囲がほぼ最終形である、と言えます。
ここで「ほぼ」と付けましたのは、日本では行政機関での利用が遅れているためです。
さて、「なぜ、金融機関がクラウドに移行するのか?」については3つ理由があるように思われます。
・ワークスタイルの変革: 妊娠・出産や介護による離職の防止、従業員のワークライフバランスへの配慮
・コスト低減: 機械は必ず買い替えなくてはならない。購入費用以外にもスペース費用、空調費用、電気代、人件費がかかる。どこでも仕事ができるので交通費の低減や人件費低減が可能になる(自宅での仕事も勤務時間ですから、労務管理的な課題は残るのかもしれません)。
・災害対策: 震災などで通勤が不可能な状況となっても事業が継続できる可能性がたかい。大手企業にクラウドが注目されたきっかけは東日本大震災でした。
銀行といえば巨大企業の代名詞ですが、
企業規模を問わず、銀行と同様のシステムを使っていただけるのがクラウドの最大のメリットです。
弊社のお客様でも、マイクロソフトOffice365とAmazon Web Servicesを合わせて30社(団体)様以上でご採用いただいております。
弊社のリーフレットにも導入いただいている企業のプロフィール(まとめ)が記載されております。
この機会に是非ご検討ください。
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